蒼井波恵の人生イロイロブログ

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母を自宅で看取ったこと22

今生の別れ

父は その日も 相変わらず お酒を飲んでいました。

 

そんな父を 横目に

私は「また 明日ね」と言って、自宅に帰りました。

 

翌日の早朝 電話が鳴りました。

 

姉からでした。

 

「パパが また吐血して、救急車で運ばれた。

意識もあったし、自分で階段を下りて 救急車に 乗り込んで行ったから…

すぐに どうってことは ないと思うけど」

 

姉は仕事に 行ってから

夕方 病院へ 行くと言っていました。

 

私は その頃、10時から14時の 事務のパートを 始めたばかりでした。

 

少し 悩みましたが、やはり心配だったので

職場に 電話をして 事情を話し、

仕事へ 行く前に 病院に立ち寄りました。

 

父は ストレッチャーに 乗せられて

処置室に運ばれようと している ところでした。

 

「パパ 大丈夫?」

 

「おう、波恵 来たのか」

父は嬉しそうに 笑顔を みせました。

 

「なんだ、結構 元気そうじゃん」

 

付き添っていた 母が 言いました。

「これから また輸血するんですって」

 

「また時間かかるね。

じゃあ、元気な顔見て 安心したから…

私は 仕事行って、また夕方来るね」

 

看護師さんが

「じゃあ輸血に 行きますよ」と言って

ストレッチャーを 動かそうとしたときに

 

父が 

「波恵、今生の別れだからな。俺の顔 よく見て帰れよ」

と 言いました。

 

ドキッとして 振り返って父の顔を見ると

とても 穏やかな顔を していました。

 

「ふーん、今生の別れね…

何言ってんだか」

 

私は 病院を あとにしました。

 

 

夕方、仕事を 終えて 病院に向かうと

父は 集中治療室に 入っていました。

 

吐血が 止まらなくなり

3人の 看護師さんが 処置に 追われていました。

苦しそうにしている父は 

おそらく 母や姉や私が 来ていることも

気づかなかったのでは ないでしょうか。

 

そのまま 昏睡状態になり

 

数日後、病院から 電話で

「もう危険な状態なので、すぐに来てください」

と連絡が入りました。

 

駆けつけましたが

残念ながら 間に合わず 

病院で 家族に看取られることなく

亡くなりました。

 

「波恵、今生の別れだからな。俺の顔 よく見て帰れよ」

 

父の 最後の言葉でした。

 

仕事に行ってから

夕方 病院に行っていたら

 

父の 最後の言葉を 聞くことが できなかった。

 

最後に見せた 穏やかな顔を 見ることが できなかった。

 

そう思うと

 

あの日の朝、仕事に そのまま行かずに 

病院に 立ち寄った選択は 正しかったと…

 

 

私は 何かに 迷ったときには

いつも この時のことを 思い出します。

 

一番 本質的に 大切なものを 選択します。

 

特に 子育て中では

「えー、今日は 仕事休めないんだよ」

ってときに 限って

子どもが 急病に なったりしたことが 

しばしば ありました。

 

まだ幼児のころは 迷わず子どもを選びましたが

成長してくると 家で 寝かせておいても大丈夫かな?

と 思ってしまうことも ありました。

 

そんな時は このときのことを思い起こして

 

ダメダメ!!

もしも 何かが あったときには 一生 後悔する!

と自分を戒めました。

 

仕事は 必ず代わってくれる人がいるけれど

この子の お母さんは 私だけしか いないんだ。

 

その選択で 救われたことが 何度か ありました。

 

息子の翔が 高校に入って 間もなく

朝から 嘔吐を していたことが ありました。

 

翔は 小さい頃から よく嘔吐をする子で

いつも 全部出し切ってしまうと

ケロッとして

「お母さん、お腹すいた」

と 言ったりしていたので

 

高校生だし…

大丈夫かな?と 少し迷いました。

 

でも やっぱり…

なにか あったら絶対に後悔する!

 

仕事で アポイントが入っていたのですが、

同僚に 代わってもらい

仕事を 休みました。

 

翔は 水さえも口にすることが出来ず、

昼を すぎても 嘔吐が 止まりませんでした。

 

体が こわばって力が 入らないと 訴えるようになり

あわてて 救急車を よびました。

 

横紋筋融解症との診断でした。

 

原因は わからないのですが、

腎臓機能が低下していて

透析をしなくては いけない可能性もあると 言われましが、

その後 点滴を10日間続けて 症状が回復しました。

 

2週間くらい 入院しました。

 

熱中症を ひどくすると 

この 横紋筋融解症になり

熱中症で 亡くなるかたの多くは

この病名が 死亡原因に なっています。

 

仕事に行っていたら

帰って来た時には 亡くなっていたという可能性も 否めませんでした。

 

間違った選択を しなくて 本当に よかった。

 

私に 今生の別れを告げた 父に

本質的に大切なものを 選択する心がけを

教えてもらったように思います。

 

まぁ 何事も 本質を 見極めるのが 難しいですけどね…

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