蒼井波恵の人生イロイロブログ

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母を自宅で看取ったこと27

別れ

長い 長い夜は すべてを闇で包みこみ 

太陽は まだまだ 姿を現そうとは しません。

 

優しかった母は 般若のような形相になり

病と 最後の闘いを していました。

 

小俣先生に モルヒネは3時間あければ 使って

よいと 言われていました。

 

あまりに辛そうなので  

早く モルヒネを 使ってあげたいと

時間が 気になって仕方ありませんでした。

 

姉と 姉の息子の大輔と 

ただただ 見守ることしか 出来ませんでした。

 

 

大輔は 2次元の世界が大好きなオタク系。

 

大輔が 小学校に上がるときに

姉と大輔は 実家に出戻ってきました。

 

大輔も 母が育てたと言ってもいいくらい

母に お世話になってきました。

 

母が 栄養を与え過ぎてしまったせいか

大輔は 身長180センチ 体重100キロくらい。

かなりビックに 成長しました。

 

そんな 見ためビックな 大輔は、母の手を握り 号泣しながら

母に 語りかけていました。

 

「ママ、ボクが いつか結婚して

子どもが生まれたら ママの名前の美智子って

つけるから〜っ 涙涙」

 

姉と2人で 思わず

「くっさー!昭和かよ!」

大笑い…

 

それからは 3人で 母の思い出話に 花を咲かせました。

 

「ママって いつも家を守ってくれていて

あんまり出かけることもなかったよね。

趣味は 編み物とか、クロスワードパズルとか」

 

「ママの 好きな歌って なんだっけ?」

 

「若い頃、合唱のサークルに 参加してたことが なかったっけ?」

 

「そんなことも あったね。

そういえば、翼をください とか 四季の歌…

よく 歌ってたね」

 

「いま〜♪ わたしの〜♪」

 

姉と2人で 母の枕元で しばし合唱をしました。

 

 

そのうちに 空が白み始め

朝が来るんだなと 思いはじめた頃

母は 大きく口をあけて イビキ?をかきはじめました。

 

「6時に なったら 岡田さんに 連絡しよう」

 

姉と そう決めて、6時を待って 連絡を入れました。

 

岡田さんは 間もなく 来て下さいました。

 

母の状態を見て 岡田さんは ゆっくり話しはじめました。

 

「美智子さんは もう苦しくも 痛くもない、でも みんなの声は  聴こえてる状態。

 

付きっきりで 見ていなくても 大丈夫よ。

 

いつも通りに していてあげて。

 

それが、家で看取るということ のいいところだから。

 

たとえ 気づかないうちに 逝ってしまったとしても

それは それ。

きっと美智子さんが、そう望んだのよ。

 

普段どおり…

 

美智子さんは安心して 旅立てるはずよ」

 

岡田さんに そう 言われて、心が 軽くなりました。

 

 

大輔 そして萌も 翔も

いつも通りに 会社や学校に 行きました。

 

残った姉と私は

この3日くらい お風呂にも入っていないことを 思い出し、

お風呂を沸かして 熱いお湯にゆっくりと 浸かりました。

 

そして 2人で 遅めの朝食 と言っても、もう昼すぎに なってしまっていたので

お昼ご飯を ゆっくり食べました。

 

「ママは もう辛くないんだ」

そう思っただけで、気持ちが落ち着きました。

 

こんなに 穏やかな気持ちで 時間を 過ごしたのは、本当に久しぶりでした。

 

 

母は 相変わらず イビキをかいて 寝て?いました。

 

ベットの脇に座って

ふと見ると 痩せて細くなってしまった手首の 血管が 今にも消えそうに 不規則に 脈打ち始めました。

 

「お姉ちゃん」

とっさに 姉を 呼び

2人で 母の手を 握りました。

 

母は フーッフーッと大きく2度息を吐き出すと

その後は 息を吸うことは ありませんでした。

 

2018年5月11日の昼下がり 

母は 79年の人生に 幕を閉じ

静かに 息を引き取りました。

 

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